金井重要工業とは
事業内容
金井重要工業の取組
2026/09/01
KANAIブログ

不織布をご検討いただく中で、「この製品の含有情報を出せますか?」というご依頼をいただくことが増えています。
提出を担当する方の中には、求められる様式や範囲が提出先ごとに違う…そんな場面に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、不織布の化学物質管理がなぜ必要なのか、そして当社がどのように情報を集め、管理しているのかをご紹介します。
不織布は「繊維の集合体」ですが、管理すべき対象は繊維だけではありません。
・原材料そのもの
ポリエステルやナイロンなどの繊維、接着に使う樹脂。
・後から付与するもの
撥水・撥油、難燃、抗菌といった機能性の加工剤。
一枚の不織布にも、複数の材料や薬剤が関わっています。
そのため、原材料のどこかに規制対象の物質が含まれていれば、最終製品にまで影響する可能性があります。
だからこそ、原材料の段階から含有情報を把握しておくことが重要です。
さらに当社の不織布は、自動車、半導体、生活用品、住宅関連など幅広い業界で使用されています。



業界やお客様によって求められる基準や提出様式が異なるため、化学物質管理を強化する必要性はより高くなります。
では、なぜ現在、化学物質に関する調査依頼が増えているのでしょうか。
実際に、当社への調査依頼は2023年と比べて3倍以上に増えており、その背景には、いくつかの理由があります。
調査依頼が増えている背景の一つは、化学物質規制の継続的な見直しにより、SDSの対象となる規制物質が増え続けていることです。
EUのREACH規則で定められるSVHC(高懸念物質)も、施行当初の15物質から現在は250物質を超えるまでに増え、おおむね年2回のペースで追加されています。
つまり、「一度調べたら終わり」ではありません。
もう一つは、お客様の製品が世界各地で使用されることです。各国・地域の規制に加え、法令よりも厳しいお客様独自の基準が設定されている場合もあります。
そのため、「どの製品なのか」だけでなく「どこに出荷されるか」によって必要な情報の範囲が変わることがあります。
こうした化学物質情報を確認する際に、よくご依頼いただくものの一つがSDSです。
意外に思われるかもしれませんが、不織布の多くは、法令上SDS(安全データシート)の作成・提出義務がありません。SDSは化学品を対象とした制度であり、成形品にあたる不織布は対象外となるためです。それでも当社は、お客様のご要望に応じてSDSをお出ししています。
理由は、「お客様に安心して製品を使っていただきたいから」です。
どのような材料が使われ、取り扱う際に何に気をつければよいのか…必要な情報を事前に確認できていれば、お客様も安心して次の工程に進めます。
「義務があるか、ないか」ではなく、お客様に必要とされる情報を提供することを大切にしています。
当社の化学物質情報の収集では、SDSとchemSHERPA(ケムシェルパ)を中心に活用しています。chemSHERPAは、経済産業省主導で整備された、含有化学物質情報をサプライチェーンで伝えるための共通フォーマットです。
ただし、仕入先からの情報はすぐに集まるとは限りません。
仕入れ先にも調査や確認の作業があり、さらにその先の仕入先へ確認が必要な場合もあるため、回答が揃うまでに時間がかかる場合があります。
こうした状況に対応するため、当社では含有情報を一元管理するシステムを導入し、年間計画にもとづいて情報の収集・更新を進めています。
管理システムの導入を決めた理由の一つが、WDS(廃棄物データシート)の作成です。
製品は、お客様に使用していただいて終わりではありません。使用後に廃棄される段階でも、含有物質に関する情報が必要になる場合があります。
「つくる側」だけでなく、「使い終わった後」まで見据えて情報を整えておく。そのためにも、化学物質情報を一元的に管理できる仕組みが必要でした。
依頼が来てから調べるのではなく、計画的に情報を収集し、最新の規制リストと照合できる状態にしておく。材料や仕入先の変更があれば情報を更新し、影響のある製品をたどれるようにしておく。この積み重ねが、お客様からのお問い合わせに根拠をもってお答えするための土台です。

このように日頃から情報を整える一方で、お客様からいただくご依頼のすべてにすぐお答えできるとは限りません。
SDSやchemSHERPAに関する情報や書類はすぐにご提出できますが、それ以外の指定様式やお客様独自の基準に沿った調査については、仕入先への確認が必要となり、お時間をいただく場合があります。お急ぎの場合はできるだけ早めにご相談ください。
また、必要な情報の範囲は、製品の用途や出荷先の国によって変わります。同じ不織布でも、求められる書類や調査項目が違ってくるためです。
そのため当社では、ご依頼の際に「どのような用途で使われるのか」「どの国・地域に出荷される予定なのか」をお伺いすることがあります。
手戻りを防ぎ、本当に必要な書類を的確にお出しするための確認ですので、分かる範囲でお知らせいただけると助かります。
まだ社内で整理がついていない段階でも、お気軽にご相談ください。
お客様の用途や状況を伺いながら、一緒に必要な範囲を整理していきます。
化学物質管理は表からは見えにくい仕事ですが、お客様が安心して製品を世界に出すための土台です。
だからこそ当社では、法律上の義務の有無にかかわらず、必要な情報をお出しし、システムと年間計画で情報を最新に保つことを大切にしています。
不織布の含有化学物質に関するご相談も承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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